湿原コースを歩いているうちにリフトも動き出したようだ。 八方池へは混まないうちに辿り着きたいのだが……そこここに咲いている花々に気を取られて歩行スピードは一向に上がらないのだ。
ケルンをいくつか眺めた後、眼下に小さな池が見えてきた。 「あの池は何?」 「あれが八方池じゃないの」 「エェッ、あんな小さいの?」 通り過ぎちゃおうかとも思ったのだが、取り敢えず、池方面へ右折。 カメラマン氏が数人、真剣な表情で構えていた。 アラッ、これは八方池に違いない。 私達も隣に静かに座り込んで、カメラを覗いた。 ヘェ、池に映る山々が肉眼より綺麗みたい。 慌ててシャッターを数回押してから、山並みをじっくり確認した。 周囲のお話しの様子からいつもいつもこの景色が見えるわけではないらしいこともわかった。 朝の静かなひととき、腰を落ち着けて白馬三山等を堪能してしまった。
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