| 【登山日】 ２００２年８月２３〜２４日（金〜土） 【山 名】 黒岳（1,984m） 【コ ース】 ８月２３日 ７合目登山事務所13:45…黒岳15:30-15:50…黒岳石室16:20 ８月２４日 黒岳石室6:50…黒岳7:15-7:30…７合目登山事務所8:30 【天 候】 曇（２３日）・雨〜曇（２４日） 【人 数】 ２人（トラベエ・妻） |
 朝の３時からバス、飛行機、バス、バス、ロープウェイ、ペアリフトと乗り継ぎ黒岳７合目に辿り着いたのが１３時３０分。シマリスの出迎えで大雪山は始まった。 今日は黒岳石室に泊まる予定。曇り空の下、登山道脇の花々を眺めながらゆっくりと登っていく。 夏の終わりの平日、静かな山かと思ったら学校登山の一団がにぎやかに下ってくる。 一団が去った後、大きなザックを背負った若者が下ってきた。「久しぶりに青空が見えました！」と嬉しそう。聞けば３週間前から北海道に入っているが天気には全く見放されているという……曇天を恨むようでは罰が当たるなあ。雨が落ちてこないだけ良しとしよう。 ７合目から黒岳まではエアリアマップでは１時間ちょっととの記述。急ぐ旅でもないのでデジカメを構えてのんびりと登る。  餌に慣れているのか、休憩場所毎にシマリスが登場する。ちょっと問題もある風景かもしれないが、「おおっ、北海道！」って感じで頬がゆるむ。足許にもチョロチョロと来て挨拶してくれるのだがデジカメは反応が鈍い。焦点が合う前に動かれてしまった。 ナナカマドの赤い実を懸命に囓っていた姿が印象的。 ダイセツトリカブト、ウメバチソウ、イワギキョウ、ナガバキタアザミ等をカメラに収めて黒岳に着いたのは１５時３０分。ずいぶんとゆっくりモードだ。 山頂からの景色はガスの切れ間に山容らしきものがうっすら浮かぶ程度。あれが北鎮岳？、こっちは北海岳？……ほとんど想像の世界なのが悲しい。  ２０分程ガスの切れるのを待ってみたが、日暮の前に黒岳石室で夕食にしなければと石室へと下る。名残のコマクサ、イワブクロを眺め、チングルマ、ミヤマリンドウ、イワギキョウ、それから色付きだしたウラシマツツジに秋を感じながらののんびりハイク……雲が取れれば最高なんだけど……それは言うまい(^^; 黒岳石室到着。受付を済ませ、寝場所の確保。夏から秋への端境期のせいか今日の宿泊は１５名程度。予約しておいたシュラフと毛布を適当に広げてから外で夕食。まずはビールを買って乾杯だ。 夕暮れとともに明日の天気にわずかな期待を抱きながら小屋に入り就寝。 厚手のフリースを着て、下には持参の銀マットを敷き、シュラフと毛布にくるまったが（隣を見ると、妻は目出帽まで被っている）なかなかの寒さだ。壁に当たる足が冷たい。毛布の上にツェルトも広げてエビの姿勢でおやすみだ(^^; 浅い眠りの繰り返し。夜中の外のトイレは寒かった。その後の風と雨の音にガックリ。 ウツラウツラをいつまでも繰り返しているわけにもいかないので、グズグズと起き出す。他の皆さんは連泊なのか、まだ、横たわったまま。そーっと支度をして小屋を後にする。  旭岳縦走に多少の未練はあるので、起きてきた管理人さんにそれとなく打診。先方も無謀な登山者には神経を使っているのだろう、「今日の予定は？」と尋ねてきた。「層雲峡へ戻るんですけど、後学の為にこんな日の旭岳方面の様子を教えてください」「黒岳山頂で５分程風に吹かれてみてください。それがずっと続くと思えば間違いないです」 黒岳を目指す頃には雨も小降りになった。しかし、風は強い。 フワーッと風に運ばれそうになること数回。でも、いかに北海道とはいえ季節は夏。冬山の冷風とは違う。予備知識も多少はあるし、風を楽しむ余裕？もみせて黒岳山頂。 山頂の温度計は５度Ｃを指していた。強風のせいか体感温度はもっと低い。 管理人さんに５分山頂にとどまることを約束したわけではないので早々と下山。 ちょっと下ると先ほどまでの風が嘘のよう。暑くなったので厚手のフリースを脱いだ。 ほどなく、層雲峡からの登山者と行き会いだした。 単独行の人が今日の山行に不安があるのか、黒岳山頂の様子を尋ねてきた。予定は旭岳縦走とのこと。「黒岳までは風はないですけど、その先は相当風が強かったですよ」と答えると「とりあえず、黒岳まで行って考えます」と言って登っていった。 この辺りは全然風もないし、雨も止んでいるし……はるばる九州からやって来て昨夜は層雲峡泊、今晩は旭岳温泉に宿の予約がしてあるとのこと、私達の言葉は信じたくないだろうなあ。 風が止めば良いけれど……たぶん、無理だろうなあ。  その後も数組のグループとすれ違いながら７合目到着。登山ノートに８時半と記帳してリフト券の購入。リフトですれ違う上りの人の表情が不安に引きつって見えるのは気のせいだろうか(^^; 早々と下山して来たが、旭川行きのバスにはだいぶ時間がある。 それでも、ビジターセンターを見学したり、ロープウェイ駅で食事をしたりしていたら、アッという間にバスの時間となった。 ロープウェイ駅のお手洗いから出てきたら、これから上へ行こうとしている人に黒岳の様子を尋ねられた。 「ペアリフトも止まったそうですから上は強風なんでしょうねぇ……」と答えたら、とてもガッカリしていた。今年の北海道はこういう人が多いのだろうが、お天気には逆らえない。 私達も気持ちを切り替えて、次の楽しみを探そう。 |
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