カモシカ平（９６．０７．２８）

　前から気になっていた野反湖。カモシカ平が良いとの情報を目にしました。うーん、刺激が強い……我慢できない……行ってきました。

　行く途中の長野原町から六合村（クニムラと読みます）へ入った道。幹線からはずれる為か急に車の数が減りました。

　舗装道路でなかったら私の子供時代に感じたのとまったく同じ風景……濃い緑の中に人家がポツン、ポツン。小学校１、２年生くらいの幼いとき、何かの拍子でひとりきりでの学校帰り、田舎道を歩いた時の記憶です。人っ子ひとりいない、夏の日差しの中、ざわざわと揺れている木や草の音、強烈に暑いはずなのに何故か背中はゾクゾクするような感じ、エアポケットにはまってしまったような心細くも懐かしい感覚……わけのわかんない表現力に乏しい超個人的感覚ですね。すみません。

　隣の座席の妻にこんなことを話しながらのドライブです。彼女曰く、「ずいぶん田舎暮らしなのね。私なんか始業のチャイムが鳴ってから走って行っても間にあう距離だったから、そんな経験はないわ」とのこと。近距離の生まれでそんなに環境に違いはないと思うのですが……

　そんな感慨も束の間です。野反湖近辺になりますと、自動車の数も増えて、だんだん行楽地の雰囲気になってきます。
　それでも、峠に着いて、目に飛び込んでくる湖は静かな佇まいです。ここはモーターボートの騒音がないのが良いです。静かな湖面です。

　野反湖ロッジ周辺は夏休みに入ったせいか家族連れと林間学校の生徒でにぎやかです。お手洗いを拝借して早々にエビ山登山口を目指します。

　ササの道の歩きは陽を浴びて暑い、暑い。汗が吹き出ます。しばらくすると樹林帯に入り、ほっと一息。樹林を抜けると野反湖が足元に綺麗に見えてきます。山の展望は残念ながら曇ってきてあまり良くない。

　ここまでで印象に残ったもの。圧倒的なササの迫力（これはその後もずーっと続きます）と紫色のアヤメの美しさ。ヤナギランも結構かわいいし、ノアザミも綺麗だった。

　エビ山山頂には子供中心のちょっとした集団が休んでいたので、そのまま通過して高沢山へと向かいました。林の中のササの道をひたすら登りました。こう書くときつそうですがササを刈った広い登山道で鳥の鳴き声を聞きながらの歩きで、それなりの風情もあります。
　何組かの子供の集団と擦れ違って挨拶。観察するともなく見ていると、先頭を元気に下ってくる子、集団とは離れて、イヤイヤ後ろから歩いてくる子……人それぞれのハイキングのようです。このあたりから雨も降り出して、ビニール合羽にスニーカーでちょっと可哀想な子もおりました。

　私達も蒸し暑いので、レインウエアはなかなか着なかったのですが、大降りになってきたので、仕方なく着用。高沢山は見通しもないので、写真一枚で通過。分岐からカモシカ平を目指しました。高沢山山頂で会った逆廻りで登ってきた人は雨なのでカモシカ平はやめにしたとのこと。私達はきょうのメインはここのつもりなので、雨の中、頑張って歩きました。

　凄いですねぇ！　樹林を抜けると目の前にひろ～いササの大斜面です。下りながら左右のササ原を見渡せば、ササの中にニッコウキスゲの黄色い花、花です。
　下りきった十字路を左に行くと、ガレ場があり、そこで昼食。また、大粒の雨でさきほど脱いだレインウエアを再度着込みました。ここで休んでいるのはエビ山から抜きつ抜かれつしてきたワンちゃん連れの単独行氏と男性二人組だけ。静かです、ササの葉をうつ雨の音以外は(^_^;

　いつまでもこの景色を楽しんでいたいのですが、雨の中、昼寝ともいきませんで、重い腰を上げました。
　分岐までの坂道をもどり、今度は三壁山へ向かいます。ここもずっと左右のササの中の歩きです。登山道は広いです。山頂からはきょうはなにも見えません。下りはじめると野反湖の全景が眼下に現れます。ガスもだいぶあがっているのですが、やっぱりまわりの山々は見えないみたい……残念

　バンガローの屋根がだんだん大きく見えてきて、きょうの山歩きはこれでおしまい。

　きょうはレインウエアを何回着たり脱いだりしたんだろ？　面倒くさかった。でも、雨にもめげずカモシカ平へ行って大正解。素晴らしかった。情報によるとニッコウキスゲの花は今年は少ないとのこと。当たり年はどんなだろう？　二度、三度と行きたい山が増えてしまう、これがつらい(^_^;

　書き忘れ
　カモシカ平で乾杯をしていましたら、ブヨ？にくちびるの下あたりを刺されてしまい、きょうはタラコくちびる状態。カッコ悪いので医者へ行ってきました。コーヒーと酒は何日か控えなさいとのこと……グッスン

エビ山・カモシカ平・三壁山（９６．０７．２８）